(SE)波の音。ザザー。ザザー。以後、オープニングまで薄く続く。
OP前セリフ
皆本大祐「ぼくは、夏になるたびカマクラを想いだす……」
タイトルNA(朝比奈響子)インタラクティブドラマ

第13話 黄金錠を持つ女(前編)


NA(細川祥子)その日の朝は、ユウコ様のご起床がいつもより1時間ほど遅かったのです。
それがあのことの前兆だったとは、ユウコ様が小学生のころからお仕えしているわたしでさえ、まったく気がつかなかったのでした。

(アシカガユウコの夢の中(夢の中のセリフは声にエコーがかかっています)
男の声A「ユウコさん、ぼくはあなたのようなかたをずっと探していたんです。
よかったらぼくの家にご招待したいのですが。両親にも会っていただきたいし」
男の声B「ねえ、ユウコさん、あなたには決まった彼氏がいないとうかがったんですが、ぼくが立候補してもいいですか?」
男の声C「ユウコさん、ぼくは、ハワイにコンドミニアムを持っているんです。
クリスマスには是非あなたとご一緒したいと思っています。いかがですか?」
女の声A「あの方って、あんなに男性におもてになるのに、一度も恋愛経験がないらしいわ」
女の声B「その気がないならないってはっきり言えばいいのに、気を持たせちゃってー」
女の声C「アシカガ自動車グループのお嬢さまだもの、本当はものすごくプライドが高いのよ。口ではきれいごと言ってるけど」
女の声ABC「(声を揃えて)いやーねー」

(SE)ユウコがベッドから起き上がる。ガバッ。
アシカガユウコ「はあはあはあ。ゆ、夢?いつの間にか眠っていたのね」

(SE)ユウコ、立ち上がってドアを開く。ガチャ。部屋の外にゆっくりと歩き出す。
細川祥子「あ、おはようございますユウコさま。ご朝食の支度が出来ておりますので」
ユウコ「(声に元気がない)ありがとう、細川。でも、今朝は食欲がないの」
細川「どういたしました?ドクターに連絡いたしましょうか?お顔の色も優れないようですが」
ユウコ「いいわ、少し疲れているだけだから。ね、細川妹たちは?」
細川「リョウコさまは、今朝早くに出かけられました。行き先は特におっしゃっていませんでしたが。
カコさまは、ラオックスとごいっしょにお部屋におられます」
ユウコ「そう。ありがとう」
細川「わたくし、やはりドクターに連絡させていただきます。ユウコさまの身にもしものことがありましたら、
おばばさまに申し上げる言葉もございませんから」
ユウコ「うふふ。ありがとう。本当に大丈夫だから心配しないで。ね、それより、アシカガCIAは戻ったのかしら?」
細川「は、はい。今朝早く本部に戻りました。カマクラ自動車教習所に設置した監視カメラシステムから
新たに本部まで光ファイバーを接続しましたので、まもなく会議室でモニターできるかと」
ユウコ「ありがとう。細川。じゃ、カコも呼んで欲しいのだけど」
細川「(ためらいながら)はい。あの、ユウコさまそれと」
ユウコ「どうかしたの?」
細川「今日は、ユウコさまのお誕生日でございますね?」
ユウコ「あら?そうだったわね。つい忙しさに紛れて忘れてしまっていたけど」
細川「ユウコさま宛てに、医師の黒木さま、弁護士の二階堂さま、青年実業家の一条さま、
ほか大勢の殿方からたくさんのお花や贈り物が届いています」
ユウコ「(ため息)ふう。アシカガ自動車グループとしての外交的なおつきあいもあるし。
ありがとう細川、あとでお礼状を書くからわたしの部屋に届けさせて」
細川「かしこまりました。うう(ちょっと声がつまる)」
ユウコ「どうしたの?細川?」
細川「ユウコさまは高校生のころからアシカガ宗家の長女としての責任を自覚されてこられましたから、
ボーイフレンドもお作りにならなかったですものね。なんかユウコさまがお気の毒で」
ユウコ「細川。わたしに同情してくれるの?ありがとう。けど、わたしは恋をしなくても平気よ。
わたしにはアシカガ自動車グループを経営してゆく大きな責任があるし、
妹たちが幸せになってくれれば、それでわたしは十分なの」
細川「ユウコさま」

アシカガカコの部屋。カコ、ベッドにほおづえをついて横になっている。
枕もとにねそべるネコのラオックスと作戦を練っている。 (背後でステレオからBGM)
カコ「ね、ラオックス、ユウコお姉ちゃんは、疲れたっていって昨日からひとりで部屋に閉じこもってるし、
リョウコお姉ちゃんは今朝早く遊びに出かけちゃったし、あたしとラオックスだけだよね。ちゃんと次の作戦を考えてるの」
ラオックス「(その通り!)ニャニャー!」
カコ「『あーあ。『ぼくを愛した教官』のときのタイマンレースも、『カジノ弱いヤル』のときのチキンレースも、
『太るのは奴らだ!』のときのでぶでぶ作戦もぜーんぶ失敗に終わっちゃったんだよね」
ラオックス「(笑ってる)ニャッニャッニャッニャッ!」
カコ「わらいごとじゃないよラオックス!全国自動車教習所連合会のホームページってあるでしょ?
そこの人気教官ランキングの女性部門で、あの北条とかいうカリスマ教官がトップになっちゃったんだからね。
得票率で、リョウコお姉ちゃんが10パーセントも差をつけられてるんだよ!」
ラオックス「ニャニャ?」
カコ「しかも人気所長ランキングでは朝比奈響子が不動のトップだし、
今回初めて集計された人気受付嬢ランキングでは、なんとあの梶原理恵がトップになっちゃったんだよ!」
ラオックス「ブニャニャー!」
カコ「うーん。あそこをダメダメにしてあたしたちが乗っ取っちゃういい方法はないかなあ」
ラオックス「ニャイカニャー(ないかなあ)!」
(SE)カコの部屋に入る放送。(エコー)
細川「カコさま。まもなく会議室でアシカガCIAが設置した最新監視システムのテストランが始まります。
至急、会議室のほうにお越しくださいませ」
カコ「あれ?アシカガCIAが帰ってきたみたいだね。ラオックス!いっしょに行く?」
ラオックス「ニャン!」

アシカガ自動車グループの本部会議室でアシカガCIAが設置した新型監視システムの操作が始まる。
(SE)カコが会議室前まで歩いてくる。そして会議室のドアが開く。
カコがドアの隙間からのぞき込むと、ラオックスもカコの足元から顔をのぞかせる。

細川「あ、カコさま、ユウコさまもお待ちです。さっそくお席のほうに」
カコ「ね、細川?今日はラオックスもいっしょでいいでしょ?」
細川「申し訳ございません、わたしからはお答えいたしかねます。ユウコさまさえおよろしければと」
カコ「ね、ユウコお姉ちゃんいいでしょ?ほら、ラオックスからも頼んで!」
ラオックス「(猫なで声)ニャニャア?」
ユウコ「本当はダメなのだけど。いいわ、今日はネコ嫌いのリョウコも出かけているし
(やさしい)今日だけよ、カコ」
カコ「ありがとう!お姉ちゃん!」
ラオックス「(嬉しい)ニャッニャーン!」
細川「ユウコさま、おやさしいですね。じゃ、山名くん、よろしく」
山名「はっ。ただいま」 (上映開始のSE)
(SE)クリックして、PCのアプリケーションを立ち上げる音。シャラララン!
山名「本日よりカマクラ自動車教習所の映像がリアルタイムでモニターできるようになりました。
さっそくご覧ください。最初は教習所付属施設の自動車整備場の映像、木下惣一郎の監視ポジションです」
(これよりモニターの映像)クリック!
(SE)走ってくるヒールの音。コッコッコッコッ!セミの声。
北条由里「ねー。木下さんいるー?」
(SE)自動ドア開く音。
由里「ねーっ。木下さーん?どこーっ?」
(SE)シャッターが開く音。ドアを開く音。ふすまを開く音。サッシを開く音。車のドアを開く音。
引き出しを開く音。ゴミ箱をひっくり返す音。貯金箱を壊す音。

木下惣一郎「だれだい?さわがしいな!」
由里「あれ、木下さんどこにいるのーっ?」
(SE)台車が滑る音。ガーッ。
木下「なんだ、由里ちゃんか」
由里「あーっ、木下さんはっけーん!車の下で何してんの?10円落とした?」
木下「ちがうよ」
由里「あ、ごめん100円だった?いっしょに探してあげよっか?」
木下「あははは。由里ちゃん相変わらずだね。何か用?」(モニター映像ここまで)
細川「山名くん、とめて!」
山名「はっ!」 (SE)クリック!
細川「映像は、リアルタイムでハードディスクに蓄積されていきますので、
このように停止したあとで、続きをご覧になることもできます」
カコ「すっごーい!」
ラオックス「ニャッニャーーン!」
ユウコ「確かにこれは使えそうね」
細川「このシステムで彼のことを詳細に調査できるかと」
ユウコ「伝説のエンジニア木下惣一郎ね。なんとしても彼をアシカガ自動車グループに引き入れたいのだけれど」
細川「彼は、若い女性教官が多いカマクラ自動車教習所では精神的バックボーンであり、
またムードメイカーとして所長の朝比奈響子を側面から支えているようです。
私生活はいたって真面目で、浮いた噂がまったく聞かれません」
ユウコ「子供はいないのかしら?」
細川「独身です。かつて一度だけ女性と交際していた時期があったようですが、
その女性が仕事で渡米してしまってからは、ずっとひとりで生活しているようです」
ユウコ「ふうん。シングルなのね」
山名「映像のストリーミング続けます!」
(SE)クリック!(再びモニター映像開始)
由里「えーっとねー。あたしの007号車をさらにパワーアップしてもらいたいなーって思って」
木下「うーん。で、どんなふうにしたいんだい?」
由里「『マッハゴー』みたいにノコギリが飛び出したり、
『ボンドカー』みたいにミサイルが発射できたりしたらいいなーって」
木下「由里ちゃん、悪いけど仕事中だからさ。真面目な話をしてくれるかい?」
由里「じょ、冗談だってばー。(独白)あーあ、皆本くんだったらノリツッコミしてくれるのにー。
えとね、エンジンのチューンナップとクラッチ板の交換とね、あとサスペンションを少し固めに調整してくれると嬉しいな」
木下「わかった。後でやっておくよ。007号車、どこにあるんだい?」
由里「今、皆本くんが運転中なんだ」
木下「え?由里ちゃん、一緒に乗ってなくっていいのかい?」
由里「ケータイで指示してるからね。無線教習みたいなもんだからさ!」

(SE)由里のケータイに着信。唱歌カマクラ
由里「あ、さっそく皆本くんからだ!じゃ木下さん、あとでね! (SE)由里走リ去る。
ね、皆本くん、次はコンビニの駐車場で車庫入れ百本だよーっ!」
木下「ああ、あとで。(独白)うん?皆本くんケータイで話しながら運転してるのか?
ど、道交法違反じゃないか!」(モニター映像ここまで)
山名「では、引き続きカマクラ自動車教習所、受付のモニター映像に切り替えます。 梶原理恵の監視ポジションです」
(SE)クリック!
カコ「ね、ラオックス。今のが北条由里だよ。あたしたちあんな奴に手玉に取られてるんだからいやんなっちゃうよねー」
ラオックス「ニャッニャッニャッニャッ!(笑ってる)」
カコ「ラオックス!」 (SE)カコ、ラオックスの頭を叩く。パシッ!
ラオックス「ブニャ!」
ユウコ「木下惣一郎の求めているものはいったい何なのかしらね。お金でも、名誉でもましてや権力でもない」
カコ「そうだ!ねえ、ユウコ姉ちゃん、あいつにとびっきり魅力的な女性を近づけるという作戦はどうかな?」
ユウコ「魅力的な女性?たとえば?」
カコ「リョウコ姉ちゃんとか」
ユウコ「リョウコを?」
細川「今朝は早くからおでかけですね」 (SE)ラオックス、カコの袖をひっぱる。
ラオックス「ニャニャニャニャゴーッ」
カコ「どうしたのラオックス?」
ラオックス「ニョーゴ!ニョーゴ!(リョウコ!リョウコ!)」
カコ「あああああ!」
ユウコ「さわがしいわね。カコ、どうしたの?急に大きな声を出して」
カコ「ほら、モニター画面に映っているあのひと、大きな白い帽子にサングラスかけて、
なんだか『マイ・フェアレディ』のオードリーヘップバーンみたいな格好しちゃってるけど
あれ、リョウコ姉ちゃんじゃない?」
ユウコ「リョウコ?カマクラ自動車教習所でいったい何をしてるのかしら?」
細川「リョウコさま?」
ユウコ「ね、カコ、ちょうどいいわ。リョウコに電話してくれる?」
カコ「え?う、うん」

(SE)カコ、リョウコのケータイに電話をかける。リョウコのケータイに着信。着メロはネコ踏んじゃった。
リョウコ「(電話の声)もしもし?リョウコです」
カコ「あ、リョウコお姉ちゃん?」主観スイッチ。
リョウコ「なによ、カコなの?今、忙しいんかだから後にしてくれない?」
カコ「(電話の声)あ、お姉ちゃん、切らないで!」
ラオックス「(電話の向こうから)ニャニャーッ!」
リョウコ「なにあんた、まだあのノラネコ飼ってるの?あたしがネコ嫌いなの知ってるでしょう?」
カコ「(電話の声)ラオックスはノラネコじゃないもん。友だちだもん」
ラオックス「ニャン!」
リョウコ「友だちでもなんでもいいけど、あたしの前に連れてこないでよ!
あーん、 なんか想像しただけで身体がかゆくなってきちゃった!」
カコ「(電話の声)ね、お姉ちゃん、まーたカマクラにいるんだね」
リョウコ「え?カコ、あんた、どうしてわたしがここにいるってわかるのよ?あ!
あんた教習所前のウイークリーマンションに来てるの?」
カコ「(電話の声)お姉ちゃんじゃないんだから張り込みなんかしないもん。
アシカガCIAが、教習所から専用の光ファイバーを敷設したんだよ。
だから、本部にいてもそこの様子がわかるんだ。すごいでしょ!」
リョウコ「あら?そうなの?ふーん。でもあたしは、現場第一主義だからこうしてひそかに潜入してるの。
『虎穴に入らずんば虎児を得ず』ってワケよね?」
カコ「(電話の声)ミイラ取りがミイラになっちゃったんじゃないの?」
リョウコ「なんですって?」主観スイッチ。
カコ「じょ、冗談だってこともないんだけど!んで、そんなとこでなにしてんの?」
リョウコ「(電話の声)(嬉しい)よっく聞いてくれたわね、カコ。
あたし今晩、アオイさまとデートの約束してるのよ!」
カコ「って今、まだお昼前だよ?」
リョウコ「(電話の声)それだからあんたは子供なのよ!何ごとにも事前調査が大切なの!
こうして、ずっとアオイさまの近くにいれば、アオイさまの趣味とか、好きな女性のタイプとか好きな食べ物とか、
いろいろな情報を入手できるでしょう!恋愛に勝利するには情報が命なんだから!」
カコ「お姉ちゃんオトコのことになると積極的だよねー」
リョウコ「(電話の声)あたし、お姉さまみたいに言われたくないんだもん」
カコ「え?」
リョウコ「(電話の声)カコは知らないかもしれないけど、巷で噂されてるのよ。
お姉さまって男性のことに、全然興味がないんじゃないかって。
どんなにかっこいいお金持ちの男性がプロポーズしても落ちないって。
あんなに身持ちが固いのは、お姉さまのハートに鋼鉄のロックがかかってるからだって言われてるんだから!」
カコ「(ささやく)お姉ちゃん、ユウコお姉ちゃんに聞こえるよ」
リョウコ「(電話の声)え?」
カコ「(ささやく)ユウコお姉ちゃん、横にいるんだよ。あたし、ユウコお姉ちゃんの指示で、電話したんだよね」主観スイッチ。
リョウコ「お姉さまが?」
カコ「(電話の声)今、ユウコお姉ちゃんにかわるね」
リョウコ「あ、ねえカコ!」
ユウコ「(電話の声)もしもし、リョウコ?聞こえるかしら?」
リョウコ「(慌てる)あ、は、はいお姉さま!」
ユウコ「(電話の声)ね、リョウコにお願いがあるのだけどいいかしら?」
リョウコ「は、はい!どのようなことでしょう?」
ユウコ「(電話の声)リョウコはカマクラ自動車教習所の技能検定員で、
『伝説のエンジニア』と呼ばれる、木下惣一郎のことを知っているわね?」
リョウコ「は、はい。もちろんですわ。お姉さま」(二人の会話はケータイで続く)
カコ「ね、細川、今、リョウコお姉ちゃんが言ってたんだけど」
細川「はい?」
カコ「ユウコお姉ちゃんのハートには鋼鉄のロックがかかっていて、いくらオトコの人が誘っても
ぜーんぜん落ちないんだって。本当なのかな?」
細川「いいえカコさま、ユウコさまも恋をしたいのです。けれども、アシカガグループを支える自覚と責任感が
、恋することを許さないのです。鋼鉄のロックなどと安っぽいものではありません。
ユウコさまが自分自身にこころにかけたカギは、もっともっと気高い、いわば、『黄金錠』なのです」
カコ「黄金錠?」
ラオックス「ニャニャ?」(再びユウコとリョウコのケータイでの会話)
ユウコ「だから、さっそくだけどリョウコの魅力で、木下惣一郎を落として、
わたしたちアシカガ自動車グループの仲間に引き入れて欲しいの」
リョウコ「(電話の声)(おずおず)お姉さまの言うとおりにしたいのだけど」
ユウコ「どうかしたの?リョウコ?」
リョウコ「(電話の声)(ためらい)う、うん」
カコ「(ユウコに)リョウコお姉ちゃん、今晩デートなんだって!」
ユウコ「え?デート?リョウコ、誰かと約束してるの?」
リョウコ「(電話の声)う、うん」
ユウコ「そう。ごめんね、リョウコ、今のわたしのお願いは忘れて。ゆっくりデートを楽しんでくるといいわ」
リョウコ「(電話の声)お姉さま?」 (SE)ユウコ、電話を切る。
ユウコ「(きりっと)カコ、作戦変更ね」
カコ「え?」
ユウコ「山名、出動の準備をお願い!」
山名「しゅ、出動ですか?」
ユウコ「そう、わたしが行くわ!わたしが木下惣一郎を誘い出してみる!
わたしだって多くの男性からプロポーズを受けているのだから、それなりに魅力があると思ってもいいんじゃないかしら」
カコ「お、お姉ちゃん」
山名・細川「ユウコさま」
ラオックス「(悲しそうに)ニャオオオン!」

NA(細川)そのときのユウコ様の表情には、いつもの冷静さに加えて、なにか吹っ切れた、青空のようなすがすがしささえ同居していたように見えたのでした。

(SE)山名の運転でユウコとカコと細川とラオックスの乗るBMWが出動。セミの声。

(第13話おわり)


音声ドラマとシナリオは演出の都合上、一部変更されている場合があります。
(C)2000-2004(K)

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