(SE)波の音。ザザー。ザザー。以後、オープニングまで薄く続く。
OP前セリフ
皆本大祐「ぼくは、夏になるたびカマクラを想いだす……」
タイトルNA(朝比奈響子)インタラクティブドラマ

第16話 ユア合図オンリー!(後編)

(SE)オープニングから続いてやや遠くなる波の音。潮交じりの海風が吹く国道134号線七里ヶ浜沿いを、朝比奈響子がひとりで歩いている。行き交う車の音。まばらなカモメの声。セミの声。

NA(朝比奈響子)思い出の糸を手繰りながら、わたしは真夏の134号線を七里ヶ浜伝いに歩いていた。ぎらぎらと容赦なく照りつける日差し。渋滞の連なるはるか国道のかなたに、ぼんやりとかげろうが漂っている。そしてふと、波の音に混じってあのころのふたりの楽しそうな声が、聞こえたような気がした。

(SE)ふたりの笑い声。エコー「あははは。あははは」一陣の風が吹き抜ける。ヒュウウウウウ!

響子「(独白)ああ、海風が気持ちいい」
NA(響子)あのころわたしは一度だけ、由里を怒らせてしまったことがある。どうして由里が怒ったのか、今となっては、はっきりとは覚えていないというより、忘れてしまいたいあまりに記憶の奥底にしまいこんでしまったらしい。
きっかけは、わたしが、不用意な同情から由里にかけたことばだったように思う。由里の反応が、期待するものではなかったために、ついなじってしまったのだ。
自分が悪いことはわかっていたのに、幼い自我の中で自分の非を認めることができず、わたしは、かたくなに由里を責めてしまった。
そして今でもときどき思い出す。あのときの由里の表情を。


回想シーン
(SE)国道を源太郎の待つバス停まで走ってくる5歳の響子の足音。行き交う車の音。まばらなカモメの声。遠くで波の音。

源太郎「どうしたんじゃ?響子?いつもより早いの」
5歳の響子「(決然と)おじいちゃん、帰ろう!」
源太郎「由里ちゃんとお別れはせんのかの?」
5歳の響子「いいの!由里ちゃん嫌いだから!」
源太郎「どうしたんじゃ?あんなに仲が良かったのに」

(SE)バスのドアが閉まる音。プシュー。バタン!(クラクション)パアン!パアン!


5歳の響子「もう嫌いになったんだもん!」
源太郎「何を言うんじゃ!親友なんじゃろが」
5歳の響子「もう絶交したんだもん!」

(SE)バスが走り出す。ブブウウウウウ。


源太郎「響子、由里ちゃんはそう思っていないみたいじゃがの」
5歳の響子「え?」

NA(響子)祖父が指差す方を見ると、由里は、江ノ電の線路際の歩道を、まるで途方に暮れた仔犬のように、ひとりぽつんと立っていた。そして目に涙をいっぱい浮かべながら、それでもいつもと同じように右手の小指を立てて高く差し上げ、一生懸命に口を動かしていた。「また明日ね!」と。
(SE)車が響子のそばを通り過ぎる。

(回想シーン)
(SE)カマクラの街の雑踏。車が走ってきて停車する。

アオイ「今回の標的はカマクラなのか?」
ハンゾウ「そうだ。ショーグンからの指令でな。関東の中心勢力はすでにアシカガからカマクラに移りつつあるらしい。お前ひとりでは心許ないのだ」
アオイ「カマクラに?ショーグンの思い過ごしではないのか?俺ばかりでなく、ハンゾウまで仕向けるとはで、誰になりすますのだ?」
ハンゾウ「(電話の声)さあて誰かな。アオイ!おぬしもその場にいて俺の『なりすましの術』をその目で確かめるといい。もっとも、確かめられればの話だがな。この3日間、教習所の教官の生い立ちや性格、様々な過去の記録について研究し尽くした。誰をコピーしたとしても、肉親さえ気がつくまい」
アオイ「たいした自信だな、ハンゾウ!しかしなりすました相手はどうする?まさか現場で鉢合わせするわけには行かないだろう」
ハンゾウ「そっちはすでに手配済みだ。昨夜、たっぷりと薬を飲ませて眠らせてある。夜までぐっすり夢の中さ」
アオイ「さすがはハンゾウ。用意周到というわけだ」
ハンゾウ「アシカガユウコのときのようなアクシデントはもうごめんだからな」

(回想シーンおわり)第15話の続きから。(傍線部分は新録。あとは15話より)
響子「要するに源太郎さんは、この教習所にスパイが潜んでいるかもしれないって言っているの」
全員「スパイ?」
響子「まさかそんなことはないと思うのだけど、注意するに越したことはないわ。だから、みんな、もしなにか気がついたことがあったらすぐわたしに報告してね」
全員「はーい!」
(SE)みんながおしゃべりしながら三々五々解散する。

理恵「もしかして、皆本くんがスパイだったりして」
大祐「ええ?理恵ちゃん、ぼくをうたぐってるんですか?」
理恵「なあんてね。もし、皆本くんだったらわたしスパイと逃避行しちゃおうかなー」
大祐「いったい何が目的で、なにからの逃避行なんですか!」
由里「意外と響子だったりするんじゃないの?」
響子「あのねえ由里、あなたとは4つの頃から幼なじみでしょう?」
由里「4つの頃から、ずうっとあたしを騙しつづけてたりして。由里ちゃん、あそぼーとか言って、あたしに近寄って、すっかり安心させといて実はあたしのこと、密かに調査していたりして」
響子「(遮って)あんたのことは調査なんかしなくても全部知ってるわよ!」
アオイ「(独白)この中にハンゾウがいるとはね。いや信じられないくらい完璧だ」
由里「もしかして、アオイさんだったりしてー」
アオイ「(慌てる)い、いやですね由里さん、ぼくみたいな新米にはなにもできませんよ」
響子「そういう由里はどうなの?最近の行動に、怪しいところがあったりするんじゃないのかしら?」(以後、源太郎のセリフ前の適当なところでFO)
理恵「それは、皆本くんが一番よく知ってるよ?だって由里といっつもいっしょにいるんだもん?ね、皆本くん?」
大祐「うえ?ぼくですか?別に由里さんに怪しいところなんかないと思いますけど」
響子「怪しいところがなくても、やましいところはたくさんあるわよねえ」
由里「言ったなー、響子!」
理恵「あ、はじまるよ!皆本くん、ゴングゴング!」(→FO)
源太郎「(独白)しかし『なりすましの術』かい。確かにこの中にいるのう。ふぉっふぉっふぉっふぉ。ほんに、たいした術じゃよ」

(SE)カマクラの街を走る007号車。


大祐「ね、由里さん、どうしたんですか?いつものコースと違うような気がするんですけど」
由里「次はそこの路地を左ね」
大祐「ね、どんどん山の中に入って行きますけど」
由里「山越えして七里ヶ浜に抜けられる裏道があるの」
大祐「七里ヶ浜に行くんですか?」
由里「そうだよ」
大祐「どうして?また、急に海が見たくなったからとか言い出すんじゃないですよね?」
由里「さっき源じいに聞いたんだ。響子がどこに行っちゃたのか」
大祐「えっ?」
由里「ね、皆本くん、今日の響子って、ちょっと様子が変だったと思わない?」
大祐「そうですか?」
由里「うん。絶対変だった」
大祐「どんなところがですか?」
由里「うーん、うまく言えないけどいつになく感傷的っていうか。」
大祐「響子さんいつもすぐ感情的になるじゃないですか」
由里「違うよ『感傷的』!センチメンタルってこと!だからさっき源じいに確かめたんだよね。響子がどこに行っちゃったのか」

(回想シーン)所長室のドアが勢いよく開く音。ガチャ!
由里「あれ?源じいしかいないの?」
源太郎「おや、誰かと思えば北条由里じゃな?なんか用かの次は九日じゃしの♪」
由里「ね、源じい、響子は?」
源太郎「響子か?なんでも、思い出話の原稿の素材を集めるとか言って七里ヶ浜に出かけたぞい」
由里「七里ヶ浜?」
源太郎「ほら、昔、よくふたりで遊んだじゃろが、あの『行き合い橋』のあたりの砂浜じゃよ」
由里「ありがと!源じい」
源太郎「なんの。響子のところに行くのかの?」
由里「うん!」
源太郎「ならば、響子にこれを渡してくれんかの?」
由里「なにこれ?チョコレート?」
源太郎「そうじゃ、響子が子供の頃、せがまれてよく買ってあげたもんじゃ。頼むぞよ」
由里「いいよ。けど、響子だっていつまでも子供じゃないからね。喜ぶのかな」
源太郎「いいんじゃ。あの頃から何も変わっておらんはずじゃ」
由里「ふーん」
(SE)カマクラの山道を走る007号車。
大祐「なんだか木が生い茂っていて薄暗い山道ですね」
由里「もう少し行くと坂道があって、それを下ると七里ヶ浜の住宅地に出るよ。そこに高校2年のときまであたしが住んでいた家があるんだ。今はマンションになっちゃったけどね」
大祐「ふーん。由里さん七里ヶ浜に住んでいたんですか」
由里「そだよ。知らなかった?」
大祐「由里さんってあまり自分のこと話さないから」
由里「皆本くんは、特別だけどね!」
大祐「へ?」
由里「ほら、そこに川が流れてるでしょ!その川に沿って走ると七里ヶ浜に出るんだ」
大祐「はい、もう少しですね」(SE)007号車走る。

(場面転換)教習所のロビー。一般の教習生たちが話している。その中に混じって、源太郎と理恵。
理恵「えーっ?源じいは誰がスパイかわかってるの?」
源太郎「もちのロン!チートイツドラドラマンガンじゃよ」
理恵「あんだって?」
源太郎「いやなに、わしはダテ男じゃが、ダテに歳を取ってはおらんということじゃ」
理恵「じゃ、源じい、誰がスパイなの?」
源太郎「それはじゃな」
理恵「(大げさに驚く)ああああっ!もしかして、源じいがスパイなんだ!」
源太郎「ふぉっふぉっふぉっふぉ!ついに正体を暴かれてしまったの。さすがは理恵ちゃんじゃ!ご褒美に今晩デナーに招待してあげようかのう?」
理恵「えーっ!本当?おごってくれる?」
源太郎「もちのロン!サンアンコドラサンハネマンじゃよ!」
理恵「だから源じい、なにそれ?」
源太郎「気にするでない。じゃがの、シュパイの正体は実に意外な人物なのじゃよ」
理恵「なあんだ源じいじゃないんだ!つまんないのー」
源太郎「そして真相はもうすぐわかる。じゃから理恵ちゃん、わしと本物を助け出しに行くとしようかの」
理恵「本物?」
源太郎「そうじゃ!」

(SE)七里ヶ浜再び。車が行き交う音。とおくで波の音。


大祐「あっ!いた!あれ響子さんじゃないですか?『七里ヶ浜』のバス停のところ」
由里「あ、ほんとだ!ねーっ響子!」

(SE)007号車、七里ヶ浜の停留所のそばで停車。ブブウウウ。キキキー――ッ!


ドア開き、由里と大祐が出てくる。
大祐「響子さーん」
由里「響子ー!」
響子「あら?皆本くん?由里?どうしたの?」
由里「ね、響子どうしたの、なんか今日の響子、変だよ?」
響子「え?そう?そんなことないと思うけど」
由里「七里ヶ浜で何してるの?」
響子「そ、それは」
大祐「響子さん?」
響子「ええと」
由里「響子、ほら、これ」
響子「なに?チョコレート?」
由里「あたしもなんだかわかんないんだけど、源じいが響子にって」
響子「おじいちゃんが?」
由里「やっぱ響子なんか変だよ!ね、皆本くん、そう思わない?」
大祐「そ、そうですね」
響子「チョコレート?あ、思い出した!けど、由里は?」
由里「なに?」

NA(響子)そのとき、江ノ電バスがちょうど停留所に到着するところだった。

(SE)ブウウウウ。キキキーーー。プシューッ。

響子「ね、由里、また明日ね」
由里「あ、ねえ、響子!どうしてバスに乗っちゃうのよ?」
大祐「きょ、響子さんどうしたんですか?」

(SE)バス、響子を乗せて走り出す。パアンパアン!ブウウウウウウ。


大祐「ね、響子さんどうしたんでしょうか?バスの中からじっとこっちを見てるけど。『彼女』?」
由里「『彼女』?」
大祐「ほら、あれ」
由里「ほんとだ?何だろ?ね、皆本くん、バスの後を追おうよ!」
大祐「は、はい!」

(SE)大祐と由里の乗った007号車、バスを追って走り出す。ドアが閉まる。ガチャ!バム!ガチャ!バム!ブウウウウウ。


ハンゾウ「(独白 エコー)もう少しだ。この幼なじみだった二人の友情にヒビを入れてしまえば教習所全体の信頼関係はガタガタに崩壊する。わははは」

(SE)車の行き交う国道134号線。遠くで波の音。カモメの声。


大祐「ね、由里さん、響子さんどこへ行くんでしょうか?」
由里「なんだかカマクラの駅のほうに行くみたいだね」

NA(響子)あのとき、わたしのこころには、同情とともに由里に対する幼い優越感が巣食っていた。そしてその醜い部分を由里はしっかりと見抜き、本能的に反発したのだ。

(回想シーン)
5歳の響子「ね、由里ちゃんおなかすいてるんでしょう?」
5歳の由里「すいてないもん」
5歳の響子「あたしおじいちゃんにたっくさんチョコレートを買ってもらったんだ。だから由里ちゃんにもひとつあげるからね」
5歳の由里「いらない」
5歳の響子「どうして?由里ちゃんいつもおなかすかせてるじゃない。だから、あげるって言ってるのにー」
5歳の由里「いらないってば!おなかすいてないもん」
5歳の響子「さっきおなか鳴ってたくせにー。せっかくあげるっていってるんだからもらいなさいよー!」
5歳の由里「いらないもん!」
5歳の響子「由里ちゃんのうそつき!意地っ張り!」
5歳の由里「響子ちゃんの意地悪―」(このあたりから徐々にFO)
5歳の響子「由里ちゃんのうそつき!あたしもう帰る!」(SE)5歳の響子歩き出す。
5歳の由里「響子ちゃんの意地悪―」

NA(響子)わたしは、まるで昨日のことのようにあの日のふたりのやり取りを鮮明に思い出した。けれどもあの場に祖父がいたはずはない。なぜ、祖父は仲たがいのきっかけがチョコレートだということを知っていたのだろう?
そう考えたとき、不意に思い出した。
帰りのバスの中で、わたしは悔しくて、持っていたチョコレートの包みを全部、祖父に突き返したのだ。『もうチョコレートなんかいらない!』と大声で叫びながら。
わたしの耳に、そのときの自分の叫びがよみがえってこだました。
そして、涙をいっぱいに浮かべた由里の顔を思い出して、もう一度、唇をかみ締めた。


(SE)カマクラ駅前の雑踏。バスが停車する。


由里「やっぱ駅まできちゃったね」
大祐「響子さん降りてきましたよ。行きましょうか」
由里「うん」

(SE)響子がバスから降りてくるところに、由里と大祐が車を降り、走って合流。


大祐「響子さーん!」
由里「はあはあ。ね、響子、いったいどうしたの?さっきからずっとおかしいよ。ね、もしかして」
響子「(クールに)もしかして何?」
由里「え?」
響子「もしかして、わたしが別人じゃないかって言いたいんじゃない?由里?」
由里「ど、どうして?」
大祐「響子さん!由里さんは響子さんのことを心配して」
響子「(さえぎって)皆本くん、彼女はわたしの知らないひとなの。由里じゃない」
大祐「えっ?」

(間)

由里(途中から)ハンゾウ「ふ、ふはははは。チイッ!なんだ知ってたのか。けど、なぜわかった?」
大祐「ひえええええ」
響子「男?あなた何者?」
ハンゾウ「今朝、朝比奈のじじいが言ってただろう?オレはトクガワ隠密三人衆のひとり、ハンゾウ」(SE)変装のマスクを取る。ババッ!

響子「(怒り)由里は?まさかなにもしてないでしょうね!」
ハンゾウ「俺たちは犯罪者じゃない。自宅でぐっすりと眠っているさ。あの女、子供みたいに純粋だな。ダイエットサプリメントの試供品だと言ったらころりと騙されたよ」
響子「薬を飲ませたの?」
ハンゾウ「夜になれば自然に目が覚める。ところで今、三つ質問に答えたが、こっちの質問にも答えて欲しいな。どうしてわかった?」
響子「子供の頃の、わたしと由里にしか通じない合図を、あなたは知らなかったわ」
ハンゾウ「ふーん。なるほどな。記録はすべてコピーしても、記憶まではコピーできなかったってわけか。まあ、ばれちまえば結果は同じだ。それじゃな。また会おう!」

(SE)ハンゾウ風のように走り去る。シャシャシャシャーッ!


大祐「あ、お、おい!ねえ、響子さん、007号車で追いかけましょうよ」
響子「放っておきましょう皆本くん、それより由里のことが心配だわ」
大祐「は、はい」

(SE)ふたりが007号車に乗り込む。ビジュアルフォン受信。プルルル!プルルル!


大祐「あ、ナビゲーションのモニターがビジュアルフォンを受信しています」
響子「由里、木下さんに取り付けてもらったのね」

(SE)大祐がマイクをフックから外す。カチャ!スイッチオン!ピッ!


大祐「はい、こちら007号車!あ、理恵ちゃん!」
理恵「(ビジュアルフォンの声)ね、皆本くんに響子さん、本物の由里はここにいるよ。ただ今お休み中だけどね」
源太郎「(ビジュアルフォンの声)ふたりとも心配はいらんぞい。北条由里は無事に保護したからの。のっほん」
大祐「ああ、源じいさん!よかったー!ほっとしました」
響子「おじいちゃん、理恵、ありがとう。ほんとによかったわ、由里が無事で」
理恵「ね、響子さん、由里、気持ちよさそうにすやすや寝てるんだけど」
響子「いいわ。そのままゆっくり寝させてあげて」
理恵「はーい。いいなー由里。今日はお休みだね」
源太郎「わしもお休みにしたいのー」(以下、響子NA前で適当にFO)
理恵「源じいはいつもお休みじゃん。教習所に来たってなんにもしてないし」
源太郎「やっとるわい。植木に水やったり、競馬の予想したり、ロビーでガールハントしたり、お昼寝したり、響子に怒られたり、こう見えても忙しいんじゃぞ」

NA(朝比奈響子)祖父からこの教習所の経営を引き継いでまもなく7ヶ月になろうとしている。
まだまだ経験の浅いわたしに教習所の経営を引き継ぐ決心ができたのは、わたしにとって、大きなこころのささえがあったから。
それは、いつも身近にいてくれた大切なともだち。
そしてその気持ちは、彼女に出会った17年前から何も変わっていない。

(SE)七里ヶ浜の波の音。五歳当時のふたりの笑い声がかすかに聞こえてくる。あははは、あはははは。FO


(第16話おわり)


音声ドラマとシナリオは演出の都合上、一部変更されている場合があります。
(C)2000-2004(K)
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