私たちUSPにとってサントラ盤というのは、NEO GEOソフトでHudsonの「天外魔境真伝」、テクノスジャパン「超人学園ゴーカイザー」、フェイス「マネーアイドル・エクスチェンジャー」、今回の「R-TYPE
Delta」が4枚目で初のコンシューマーゲームとなります。 そしてその全てがサイトロンレーベル。サイトロンさんとはどうも縁があるようです。
さて、当初IREMさんから「R-TYPEの新作のサウンドを担当して欲しい」との以来を頂いたときには、
正直なところ、「驚き」とそれを上回る「喜び」をこの上なく感じました。 というのは、「R-TYPE」は数多くのシューティングゲームの中でも個性的なゲームシステムと難易度の高さ、そして独特の世界観を持ち、ゲーム業界人にも数多くのファンを持ったソフトで、その音楽を担
当出来るとは夢にも思っていなかったからでした。私どもの制作スタッフの南部などはPC-Enginの頃か らの「R-TYPE」ファンでした。
それは1997年5月16日(金曜日)、「Delta」担当プロデューサーのIREMの中口さんと北さんが石川県松任市からわざわざ横浜のUSP事務所まで打ち合わせに来られました。
そして、 「今度のR-TYPEは今までのシリーズとは違ったアプローチで音楽を作って欲しい」 「従来のR-TYPEの曲は意識せずに、各ステージのイメージ重視で曲をお願いしたい」
との依頼でした。 All-inは8月末、マスターアップは9月末の予定だったと思います。
IREMさんから送っていただいたビデオで、ステージ映像を初めて見たときには正直びっくりしました。
あのR-9が3Dステージをグリグリ動いているのです! 「これはすごい!視点切り替え有り!?(プロトタイプはそれが出来たらしいのです)」
その後、 「ステージ中もポイントポイントで曲の雰囲気がステージ進行とリンクして変わるようにしたい」 という希望もあり、1ステージに対して3〜6曲ずつプレゼンを重ねていきました。
IREMスタッフの方々はステージ画面や演出に大変なコダワリを持って制作されているのは、送られてくるビデオ映像がどんどん作り込まれていく様子を私たちもひしひしと実感していました。
私たちの目には「これでOKじゃない?」というものでも、後に没になってしまった「ステージの一部」 や「ボス」もありました。 そして曲に対しても同様のコダワリをもって評価されましたので、最終的には没曲が20数曲出来上がり
ました。(笑)考えてみるとこの曲数は実際の使用曲数より多かったのでした。(汗)
そうこうしているうちに、All-inやマスターアップ日も既に過ぎ、年が新たまり、いつのまにか最初の打ち合わせ日から1年が経過してしまっていました。(大汗)
そして丸1年遅れの9月下旬にようやく完成。 ゲームの完成度は、私などが言うまでもなくとても素晴らしいものになっています。その「R-TYPE
Delta」を私たちがBGMでお手伝い出来た事が本当に嬉しかったし、「マスターアップした」という中口さんの言葉を聞いたときにはUSPスタッフ一同正直言ってホッとしたことは事実ですが、また大変な充実感を得ることが出来ました。
「R-TYPE Delta」のそれぞれの曲は各ステージ、各シーンと強く結びついています。言い換えれば、
曲だけが一人歩きするようには出来ていません。ですから、このサントラ盤を聴いていただいて、それぞれのステージやシーンを思い出し、またすぐに「Deltaがやりたくなった」と言ってもらえることが
私たちの何よりの喜びです。
最後に、このサントラ盤制作を快諾、ご協力いただいたIREMの中口さんはじめ「Delta」制作スタッ
フの皆さんに、制作上お手数・ご迷惑をお掛けしたにも係わらず色々とお手伝いいただいたサイトロンレーベルの大野さん・八木さんに、そして何よりもこのサントラ盤をご購入いただいたみなさまに感謝申し上げます。
それではこのサントラ盤がいつまでも皆様方のかたわらにあることを祈りつつ・・・。
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