MIDI POWER Pro4 ライナーノーツ

 あれから一年振りのご無沙汰でーす!

拝復

 夏の暑さのピークもようやく過ぎ、アブラゼミがツクツクボーシに取って変わられ、心地よい風がそよそよと吹いている初秋...このアルバムが出る頃にはそういった季節だと思います、がしかし今は暦の上では梅雨、これから暑くなるのに備える(「どんな備えんジャ〜?頭を丸坊主にでもするんかァ〜?」と天の声)今日この頃でありますが、MIDI POWER リスナーの皆様方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか...ン?

我ながら何だか支離滅裂な時候の挨拶ですよねぇ。ですが私が若かりし頃、昔むかし大昔「『拝啓・拝復』などの書き出しのときには必ず時候の挨拶を書かなくてはいけません」と学校の先生に教わりましたので素直にそうしました。それに加えて根が正直者(?)ですので、嘘偽りのない時候の挨拶をするとこんな風になってしまうのでした。いつものパターンって奴です。

 このMIDI POWER Proシリーズも回を重ねて4枚目になります。今回のゲームタイトルは、いつかはと思っていました「ときめきメモリアル」。思い返せば去年Pro3を作って直後から今日に至るまでの約10カ月間は『ときメモ』漬けの毎日でした。もちろんゲームもプレイしましたが、歌ものの譜面制作、MIDI collectionを2枚、その間に某タイトルの外部MIDI音源用データ制作(150曲余り!)を担当させてもらって...ほんとに毎日『ときメモ』ソングを聴いていじって触って、独りぼっちの卒業式を迎える日もありました。

「女々しい野郎どもの詩」はいい曲だな〜としみじみと思ったり)

 そしてPro4。実は、以前頂いた葉書の中に「今度MIDI POWERで是非『ときメモ』を取り上げてほしい!」という方と、「ゼッタイ『ときメモ』はやって欲しくない!」という方、両極端の意見があったのです。これらを書いた人、心当たりありますよネ。そうです、あなたと、あなた。この頃すでに「Pro4は『ときメモ』で頼むヨ〜ン」とのお達しがありましたので、私自身複雑な心境であったことを覚えています。
そこで、
 「是非...」の方には、「やりましたァ!!!エッヘン!」
 「ゼッタイ...」の方には、「やってしまいましたァ〜ゴメンナサ〜イィィ」
ということで、ご理解の程を何卒よろしくお願い申しあげます。

 さて、今回の制作にあたり次のようなことを考えました。

最近DTMをやっている人たちの作品をInternetなどで聴くとすっごく良くできたデータがたくさんあるよね。みんなほんとにがんばって作っているんだな〜。(ヤッバイ!同じ事をやってたら追い付かれるぞ、追い越されるぞ!置いてけぼりにされるぞ!!)このMIDI POWER Proシリーズに課せられた使命は何じゃろカ?いかにしてよりリアルなデータを作るか、いかに使用音源を使い倒すか、ト・イ・フ・コ・ト・ハ...思いっきり拡大解釈をすると、打ち込みテクニック含めて広い意味で新しいDTMの提案をすることカイナ?!
フムフム...ちょっと大袈裟カナ?
 だったらこの際、みんなで一致協力して一曲を仕上げるような作り方をしてみよう!
 題して、『データ上でセッションする!やったもの勝ちシリーズ』
今回からターゲット音源はSC-88Proだし、この音源使い倒せば相当いい線行くんじゃないかナ?“Bootsy”も最近ギターシンセを買ったことだし、今までよりもっとリアルタイム入力を多用して...そうだ!そうしようよ、そうしよっと。

 じゃあ基本アレンジは“Boot”にお任せ、ギターは“Bootsy”ヨロシク!ドラムスはワタシ“Anythin’”行かせてもらいます。そ〜だ、僕らの他にゲストミュージシャンも呼ぼう!」
てなことになりました。ただこれはProシリーズの中でも前例がない訳ではありません。
ご存じの方はご存じで、「そんなの知ってるよ」と言ってる方の声がちらほらと聞こえてくる気がしますが、実はPro3「ポリスノーツ」の「Lavender」でゲストプレイヤーとして矩形波の古川さんにギターシンセでsoloをお願いしたり、ストリングスアレンジは“Boot”黒岩が担当してたりしています。ですが今回はそれをもっと発展させた形でやりたかったのです。ただし思いっきりやるのは1〜2曲にしておこう、なにせギター1本でMIDI 6ch使うのですから。(節約する方法が無いことはないのですが...)
そして完成した一曲が「花に囲まれて」。因みにこの曲は、まず“Boot”黒岩の基本アレンジが出来た段階でそのデータを私と“Bootsy”南部が受け取りそれぞれ別々に同時進行でドラムスとギター(中盤からのcuttingと後半のギターsolo)を入力、ほぼ同時にそれらが出来上がり、更に手を加えていた黒岩データにガッチャコンとはめ込み、ミックスバランスを取った後、“UK”植木のギターsolo(中盤の)を入れてもらう、という手法でした。

 若干貧乏クジ(?)を引いた感がある“Boot”黒岩、なにせほとんどの曲のアレンジを考えなければいけない羽目になり「もう大変っすヨ〜ォ」を連発していましたが、そこへ忽然と颯爽と現れたニューフェイス“Ebi-chan”こと海老原、持ち前のハードロック路線のアレンジと、その対極ともいえるストリングス系アレンジを軽々とこなすというなんとも器用な人物。戦闘メドレーのギターsoloはデータヅラを見ていただくと分かるとおりステップ入力です。また、彼は元々ドラマーですのでドラムスの打ち込みにも優れたテクニックと感性を持った人だと感じます。(と思いっきり持ち上げとくから、今後もますますガンバってネ、よろしく!)

 本当は今回も古川さんにまたお手伝いをお願いしたかったのですが、諸事情ありまして今回は実現いたしませんでした。次回はきっと参加してもらえると思いますので、期待しててくださいネ。

 MIDI POWER Pro4、いかがでしたでしょうか?
 「是非『ときメモ』を!」と葉書をくれたアナタ!ご期待に添えましたでしょうか?
 「ゼッタイ『ときメモ』はやって欲しくない!」と書いてくれたアナタには、やっぱりダメ?良くなかった?結構イケてるでしょ?

 わざわざ切手を貼って送って頂くのは恐縮なのですが、皆さんからの葉書のコメントを励みに日々ガンバっていますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
「みんなで、データでセッションしましょ!」を今回提案させていただき、次回まで暫しのお別れでございます。

 !!!みなさん、これからも一緒にDTMがんばろうね!!!

草々

平成9年9月吉日
入江“Anythin’”茂明

追伸
 次回Pro5は、「コナミ名作シューティングゲームダイジェストみたいなものになるかも」との噂ですよ。

USP